椋鳩十さんの児童文学

  • 2017.04.01 Saturday
  • 07:21

 

 先日、経済アナリストの藤原直哉先生が主催する「藤原直哉学びのカフェ」参加のため、

日本三大秘境のひとつ長野県飯田市南信濃・上村地方の遠山郷に行ってきました。

 

 東山郷は国の重要無形民族文化財に指定されている霜月祭をはじめ数多くの伝統文化が残り、

また、その地形も日本列島を東西に走る中央構造線という大断層があるため、非常に複雑で、

地質学的にも謎が多い場所とのことです。 

 

 訪れた人は、その日本の原風景の体験に魅かれるということでしたが、私も

こころのふるさとに帰ってきたような気がしました。

 

 遠山郷のおとなりの村、椋鳩十さんの生まれ故郷下伊那郡喬木村「椋鳩十記念館」に

も行ってきました。

児童文学作家で有名な椋鳩十さんの小説は、小学校の国語教科書の教材にもなっていて、

大好きな作家の一人です。

 

 大学卒業後、椋鳩十さんは、鹿児島にうつり、教員や鹿児島県立図書館長をつとめたそうです。

そして、1960年には、「母と子の20分間読書」を提唱されました。

これは、『教科書以外の本を子どもが20分間くらい読むのを母が、かたわらにすわって、

静かに聞く』というものだそうです。

 

 今回のことをきっかけに、椋鳩十さんの小説を読み返してみました。

そして椋鳩十さんの文学は、五感を超えた、心で感じる小説だとあらためて感動しました。

 

まるで小説の中の様子を、その場でのぞきこんでいるような感覚になります。

自然や動物の息遣いまでもがリアルに想像できるのです。

 

 ぜひ、お子さんのいる方は、椋鳩十さんの本を、お子さんと一緒に

読んでもらいたいと思いました。

その場にいかなくても、すべての子供達が本来もっている自然を愛するDNAを刺激し、

子供達の心を豊かにすると思いました。

 

椋鳩十の本 第14巻 児童文学 ももちゃんとあかね

「お日さまのうた」より一部抜粋

 

 お日さまのひかりをよろこぶものは、ことりたちばかりではありません。 

 

 お日さまをいっぱいにすいこんだ林も、いいにおいをたてはじめるのです。

 

 おちばの、においが、するのです。お日さまのにおいも、するのです。

木のにおいもするのです。キノコのにおいもするのです。かれくさのにおいも

するのです。

 

 お日さまにあったまってきたおちばは、からだをのばしてのびをするのです。

こびとのないしょばなしのような、かすかな、かすかな、おとを、みりん、

みりんと、たてながら……

 

 

 林のなかのテントのまえに、すわっていたわたしも、じっとしてはいられなくなりました。

 

 おちばをあつめて火をたきました。あおく、うつくしい、けむりがたちます。いいにおいの

けむりです。

 

 シラカバの木をせおった木こりが、わたしの火のそばで、ひとやすみしました。木こりは、

おむすびをくれました。おミソをぬって、こんがりと、やいたおむすびでした。

おむすびもいいにおいです。

 

 「お日さまと、いっしょにくらすものは、しやわせだ。山のものたちも、わしも、また

しやわせだわ。では、またな。」

 といって、木こりは山をおりていきました。

 

 わたしもまた、しやわせのようなきがするのでした。

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